光JSみらい紹介動画
言葉でつながる 人とのつながり〜日本語教師 梅本祥子の挑戦〜
光JSみらいを立ち上げたきっかけ
小学校教員としての外国ルーツの子どもたちとの出会い
いま日本には、日本語教育を必要とする子どもが5万人以上います。忙しい学校現場で取り残され、補習塾に通うには経済的に困難で、地域に日本語学習の場がない子どもたち。日本語を習得できないまま高校に入学しても、日本人高校生と比べ、5倍以上中退率が高く、日本語習得の重要性、むずかしさを示しています。
私 梅本は、元々 小学校の教員でした。勤務していた地域が外国ルーツの子どもが多かったこともあり、様々な外国ルーツの子どもや保護者に出逢いました。自信がもてず日本語を話すことはしないけど、友達と遊びたい。でも、うまく表現できず、つい手足が出てしまう、Aさん。
日本語が分からないことで自分を閉ざし、周りとのコミュニケ―ションをとろうとしなかった、Bさん。
日本で生まれ育ったけども、第一言語が確立されない状態で高学年になり、母国語でも日本語でも「思考する」ことができず、勉強にも周りの友達のコミュニケーションにも行き詰ってしまった、Cさん。
どの子もそれぞれに、言葉で人とつながることに困難を抱えていました。
日本語支援の必要性を痛感、そして仲間との出会い
でも、隙間時間に個別で一緒に勉強をしたり、家庭と連携して家で日本語の宿題を頑張ったりしていくうちに、気づけば友達と仲良くなっていきました。
そういうAさん、Bさん、Cさんとふれ合うことで、クラスの子どもたちも一緒に成長をしていきました。
日本語が話せなくても、生きていくことはできる。でも、話せれば、もっともっと人生が豊かになる。それを、子どもたちが証明してくれました。
そして、小学校教員を続ける中、JICA(国際協力機構)の教員ボランティア(正式名称:JICA現職教員特別派遣ボランティア)としてブラジルで2年間、日本語指導する機会をいただきました。
自分自身が「外国人」として外国で暮らして学んだこと、ブラジルでの同期たちのように日本で自分の経験を還元したいと考えている仲間など、私がもつもの全てを活かして日本語を必要としている子どもや家庭をサポートしたい!と考え、2020年10月に株式会社 光JS、2022年7月に一般社団法人 光JSみらいを立ち上げました。
現在は、株式会社 光JSでは、海外在住の子どもたち、一般社団法人 光JSみらいでは日本国内に住む子どもたちを対象に事業を分けています。
光JSみらいの理念

言葉でつながる 人とのつながり
〜どの子の今も、明日も、未来も、光り輝くように〜
教員として外国ルーツの子どもたちに触れ合うことで痛感した、「日本語が話せなくても、生きていくことはできる。でも、話せれば、もっともっと人生が豊かになる。」という実感を「言葉でつながる 人とのつながり」という理念に込めています。
光JSみらいという名前、ロゴに込められた思い
光:「どの子の今も、明日も、未来も、光り輝くものになるように。」
JS:「Japanese language School(日本語学校)日本語教育・児童教育の専門家が集まり、知識と経験を最大限に活かしてサポートしていく」
みらい:「外国ルーツの子どもたちのみらいを明るくできるような日本語の勉強を届ける」
これらを組み合わせて、「光JSみらい」と名付けました。
尚、㈱光JSは、系列団体(企業)にあたります。

ロゴ製作者は、アナ・カロリナ・ブランコ。
太陽(オレンジ)、子どもの笑顔(黄色)、可能性(白)、平和(青)、信頼(緑)を使って、地球を表現しました。
広い地球の様々な国から集まった仲間たちが、日本(桜の花びら)で手を取り合って生き生きと暮らしていけるように、日本語教育を通して子どもたちをサポートしていきます。
また経済格差、地域格差に囚われず、活動を持続可能なものとして、より多くの子どもたちに日本語学習の機会を届け、子どもたち一人ひとりの将来の可能性を広げるために、3つの取り組みを続けています。
オンライン授業
日本語学級が設けられたり、ボランティアによる宿題サポートが行われている地域もありますが、サポートの拠点、携わる人数は、地域によって差も大きいのが現状です。近くに日本語を勉強する場所がない子どもたちにも学習の機会を届けるため、オンライン授業を続けています。
みらいっこ制度
正規の授業料では学習の継続が困難なご家庭に対しては、高校を無事に卒業するまで長く支え続けるため、授業料の3/4をサポーターのご支援を受けながら受講する光JSみらい独自の奨学金制度「みらいっこ制度」を設けました。サポーターのお力を借りながら、「どの国に生まれ、育っても、子ども1人ひとりのもつ‟宝の花”を十分に咲かせることができる社会」の実現を目指しています。
活動を持続可能なものとするために
日本語講師の専門家に集まっていただき、また、仕事として継続していただくためにふさわしい対価を支払いたいと考えています。また、保護者には、子どもの未来のために質の高い教育を受けるための覚悟として、経済的には困難であっても、全額をサポートするのではなく、授業料の1/4は支払ってもらうようにしています。
光JSみらいの活動紹介
どの子の今も、明日も、未来も、光り輝くものになる」ように、以下の活動を通してボーダレスな社会の実現を目指します。
日本語授業


現在、2名の生徒さんがみらいっこ制度を利用してオンライン授業を受講しています。子どもたちは、「国連ではたらきたい」など、新たな目標や夢を持ち始めています。日本語を通して彼らの夢や目標のサポートを続けられればと思っています。
日本語教育、外国ルーツの子ども・家族支援関連のセミナー開催


また、日本語教育を通して子どもたちをサポートする仲間と一緒に学んでいく場として、外部講師をお呼びしてセミナーを開催しています。2022年9月には、日本語学級の責任者として携わっておられる河井先生をお呼びして公立小学校の日本語支援の今をお話しいただきました。また、2022年11月には、臨床心理士の岩木エリーザ先生をお呼びして、移住がもたらす外国ルーツの子どもたちの心理的ストレスと成長についてお話しいただきました。
海外で日本語を学ぶ光JSの子どもたちとの交流イベント
普段のプライベートレッスン以外に、当社主催でオンラインイベントを年4回実施しています。七夕や運動会など、年中行事に関するアクティビティで季節を感じながら、日本語を通して、海外で日本語を学ぶ光JSの仲間と繋がることができます。日本語成果発表会では、年に一度、自分の住む街や学校、友だちのこと、興味のあることなど、作文や朗読、スライドショーなど、学んできたことの成果を発表し合い、日本語を学ぶ仲間との繋がりを深めています。
公開イベント
2023年3月には、音楽を通して文化交流する音楽チャリティーイベントを開催します。人の輪を広げ、活動を盛り上げていければと思います。収益は、みらいっこ制度の授業料サポートに充てられます。
メンバー紹介
代表理事

梅本祥子
先生

りほ先生 (日本語教師)

えみ先生 (日本語教師)
「子ども」と言っても年齢やこれまでの学習スタイル、認知発達や言語発達などを考慮すると多岐にわたります...
スタッフ
光JSみらいの活動に賛同し協力してくれる仲間をご紹介します。

ちえ (スタッフ)
アメリカで子育てし、子どもが複数言語で育つ苦労、豊かさを体験しました。言語は、ドラえもんのどこでもドアのようなもの...

ちから (スタッフ)
日本とベトナム、ネパールを経て、マレーシアで現在進行形で子育てしています。 外国での子育ての楽しさと同時に難しさも感じています...

ルシアナ (スタッフ)
日本語をブラジルの現地で12年教え、様々な目的や夢を持った生徒を見る中で日本語の可能性にいつも心躍らせています...
法人概要
正式名称 | 一般社団法人光JSみらい (英文名:Hikari JS Mirai) |
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所在地 | 〒143-0025 東京都大田区南馬込5-42-10-701 |
連絡先 | お問い合わせフォームをご利用ください |
代表 | 梅本祥子 |
設立 | 2022年 07月 12日 |
事業内容 | 日本語オンライン授業の提供 日本語教育に関連したセミナーの開催 文化交流イベントの開催 |
光JSみらいに関連するこれまでの歩み
2022年07月 | 一般社団法人 光JSみらい 設立 光JSみらいオンラインクラス 開始 |
2022年09月 | 光JSみらい主催第一回セミナー 開催 |
2022年11月 | 光JSみらい主催第二回セミナー 開催 |
2023年2月 | 光JSみらい主催第三回セミナー 開催 |
2023年3月 | チャリティーイベント『Abraço アブラッソ』開催 |
光JSみらいに関連するこれまでの歩み
2008年12月 | 代表 梅本祥子 ブラジル サンパウロ州・セアラ州の学童保育施設にてボランティア。ブラジルとのつながりが生まれる。 |
2009年03月 | NPOスタッフとして活動開始 |
2009年04月 | 代表 梅本 祥子が公立小学校で教諭として教育現場に携わり始める |
2016年07月 | 代表 梅本 祥子がブラジルのベレンに、JICA日系社会青年ボランティアとして派遣される。 ブラジル人学校で日本語教育に携わる |
2020年10月 | 株式会社 光JS 設立 |
2022年07月 | 一般社団法人 光JSみらい 設立 光JSみらいオンラインクラス 開始 |
2022年09月 | 光JSみらい主催第一回セミナー 開催 |
2022年11月 | 光JSみらい主催第二回セミナー 開催 |
2022年12月 |
みらいっこ生徒を受け持ち始めてから、1年が経ちました。はじめは、正直なにをいっても「わからん」「わからん」と言われ続け...
みらいっこ生徒を受け持ち始めてから、1年が経ちました(※)。はじめは、正直なにをいっても「わからん」「わからん」と言われ続け、本当に簡単な会話しかできませんでした。
やる気がないわけではないけれど、日本語の勉強というものにとても苦痛を感じているのではないかと感じました。
彼が明らかに変化したのは、授業の1つとして行った 「手紙を書こう」というプログラムでした。
手紙の書き方を学び、実際に手紙を書いてみる。そして文通をやってみました。
私と何度かやり取りをしました。実際届いた手紙を家族など第三者に見せて、喜んでもらう。みんなが褒めていることを毎度毎度伝えました。
1番は、やはり学校の先生に送り 先生から褒めてもらったことでしょう。
よほど嬉しかったのか彼の意識が明らかに変わりました。
そこから、私の意識も変わりました。今までは学校の授業についていかせないといけないという考えでしたが、それよりもまず生活で日本語を使えるようになる成功体験を積んで、日本語学習に対する向上心をもってもらうことを目標にしました。
それからというもの、レッスンの45分は彼にとっても短く感じることが多くなったようで、以前のように終了時刻になったらすぐに「バイバイ」ではなく、「えっもうおわり!はやかった」ということが増えていきました。
今小学5年生 長い目でみると、不安なことが多いです。彼のかなえたい夢があるからこそ、余計に… 彼の将来を考えると教師としてもどかしいところがあります。
でも、私は今のやり方を変えずに進めていきます。これから先のことを見すぎてしまって、今の彼と真剣に向き合えず、彼が日本語を嫌いになってしまうとそれこそ大問題ですから…。
生活をするために必要な日本語。小学生の彼にとってはとても大変なことだと思います。
外国に住むということは、自国では苦労しなくてもいい部分でも問題が起こります。
しかし、その環境が彼にとってマイナスの状況ではなく、人生においてもめったにない経験です。これをプラスの状況として捉えてもらえるために、今自分にできることは何かを考えていけたらと思っています。
少しずつの成長でもいい。時間をかけてゆっくりでもいい。
今の彼と向き合って、彼のペースで「日本語って楽しい。もっと日本語ができるようになりたい。」と自ら思ってもらえる時間を授業で作り上げていきたいと思っています。
それにはやはり環境が必要だと思います。その環境作りは、多文化共生を掲げている日本社会が担う重要な役目だと私は思います。光JSみらいがその環境づくりに大きく貢献できるよう、私も光JSみらいの一員として頑張ります。
※光JSみらいを設立前は、㈱光JSにてみらいっこ制度を行っていました。