生きていくうえで、「言葉」だけがすべてではない
でも、「言葉」があれば人生がもっと豊かに
どの子の今も、明日も、未来も、光り輝くものになるように
私が小学校の担任をしていた時、毎年クラスには様々な外国籍・帰国子女のお子さんがいました。
日本語が分からないから授業についていけないけど、みんなに注目してもらいたくて、授業中に黒板を消したり、友達を叩いたりするAくん。
日本語を話せないことで自分に自信がもてず、友達がいくら誘っても一緒に遊ぶことを拒み、休み時間一人で過ごすことを好むBちゃん。
日本語がわからないことが恥ずかしく、教科書を開いて「わかっているフリ」をして、なんとか授業をやり過ごそうとしていたCくん。
どの子も、どこか不安な気持ちをかかえているのが伝わってきました。
でも、休み時間や放課後に一対一で日本語を教えたり、その子にあった課題を準備したりするととびきりの笑顔で「できた!」と、とても嬉しそうでした。
コツコツ続けることで自信をもち、気付けば友達と楽しそうに勉強したり遊んだりするようになりました。


生きていくうえで、「言葉」だけがすべてではありません。
でも、「言葉」があれば、人生がもっと豊かになります。
どの子も自分の人生を愉しめるように、
ささやかながらお手伝いができたら…
そう願いながら、日々の授業を行っています。
子どもたちの光り輝く未来のために、我々と共にアクションを起こしてみませんか。
一般社団法人 光JSみらい 代表理事
梅本 祥子

日本語を学びたいけれど、さまざまな困難によって
学べる環境に恵まれない子ども達もいます

「日本に住んで、日本の学校に通っているのに、日本語学習って必要なの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、今日、様々な事情で「日本語で学習することが困難」な子どもたちが多くいます。
日本では2010年以降、父/母ともに外国人の子どもの数は急増し、過去最高となっています。
日本で生まれ育っても、家庭では日本語以外の言語で生活している場合も多いため、日常会話には問題がなくとも、
学習に関わる日本語がわからない(教科学習言語能力の不足)という子どもも多くいます。
(文部科学省「外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメントDLA」2014年)
経済的理由から、教科学習に必要な日本語を習得するための費用が払えない家庭もあります。
日本に住む外国籍家庭の約半数は、世帯月収が20万円以下という調査結果が出ています。
参考:https://www.moj.go.jp/isa/content/00134184.pdf
日本語学習が必要な子どもがどのようなサポートを受けられるかは、
個々の学校の判断に委ねられているというのが現状で、まだ十分に実施されているとはいえない状況です。
現在、全国で約5万人の児童生徒が日本語学習を必要としているといわれています。
日本の将来を担う子ども達の輝く未来を応援したい
子どもの家族とサポーターで支える「みらいっこ制度」
みらいっこ制度は、サポーター様から頂いた寄付金をもとに、外国にルーツのある子ども達に質の高い日本語学習の機会を届ける、光JSみらい独自の奨学金制度です。
正規の授業料では学習の継続が困難な家庭のみ、半額をサポーターにご支援いただき、半額は家庭で支払うという制度です。
光JSのオンラインレッスンは1ヶ月12,000円です。
レッスンを受ける子どもの家族は3,000円を負担し、みらいサポーターが9,000円を支援します。
光JSみらいでは、外国ルーツの家庭を支援するとともに、家庭にも子どもの学習に責任と覚悟をもってほしいと考えています。
サポーターのお力を借りながら、「どの国に生まれ、育っても、子ども1人ひとりのもつ‟宝の花”を十分に咲かせることができる社会」の実現を目指しています。

光JSみらいとは
光JSみらいを立ち上げたきっかけ
小学校教員としての外国ルーツの子どもたちとの出会い
いま日本には、日本語教育を必要とする子どもが5万人以上います。忙しい学校現場で取り残され、補習塾に通うには経済的に困難で、地域に日本語学習の場がない子どもたち。日本語を習得できないまま高校に入学しても、日本人高校生と比べ、5倍以上中退率が高く、日本語習得の重要性、むずかしさを示しています。
私 梅本は、元々 小学校の教員でした。勤務していた地域が外国ルーツの子どもが多かったこともあり、様々な外国ルーツの子どもや保護者に出逢いました。自信がもてず日本語を話すことはしないけど、友達と遊びたい。でも、うまく表現できず、つい手足が出てしまう、Aさん。
日本語が分からないことで自分を閉ざし、周りとのコミュニケ―ションをとろうとしなかった、Bさん。
日本で生まれ育ったけども、第一言語が確立されない状態で高学年になり、母国語でも日本語でも「思考する」ことができず、勉強にも周りの友達のコミュニケーションにも行き詰ってしまった、Cさん。
どの子もそれぞれに、言葉で人とつながることに困難を抱えていました。
日本語支援の必要性を痛感、そして仲間との出会い
でも、隙間時間に個別で一緒に勉強をしたり、家庭と連携して家で日本語の宿題を頑張ったりしていくうちに、気づけば友達と仲良くなっていきました。
そういうAさん、Bさん、Cさんとふれ合うことで、クラスの子どもたちも一緒に成長をしていきました。
日本語が話せなくても、生きていくことはできる。でも、話せれば、もっともっと人生が豊かになる。それを、子どもたちが証明してくれました。
そして、小学校教員を続ける中、JICA(国際協力機構)の教員ボランティア(正式名称:JICA現職教員特別派遣ボランティア)としてブラジルで2年間、日本語指導する機会をいただきました。
自分自身が「外国人」として外国で暮らして学んだこと、ブラジルでの同期たちのように日本で自分の経験を還元したいと考えている仲間など、私がもつもの全てを活かして日本語を必要としている子どもや家庭をサポートしたい!と考え、2020年10月に株式会社 光JS、2022年7月に一般社団法人 光JSみらいを立ち上げました。
現在は、株式会社 光JSでは、海外在住の子どもたち、一般社団法人 光JSみらいでは日本国内に住む子どもたちを対象に事業を分けています。
光JSみらいの理念

言葉でつながる 人とのつながり
〜どの子の今も、明日も、未来も、光り輝くように〜
教員として外国ルーツの子どもたちに触れ合うことで痛感した、「日本語が話せなくても、生きていくことはできる。でも、話せれば、もっともっと人生が豊かになる。」という実感を「言葉でつながる 人とのつながり」という理念に込めています。
光JSみらいという名前、ロゴに込められた思い
光:「どの子の今も、明日も、未来も、光り輝くものになるように。」
JS:「Japanese language School(日本語学校)日本語教育・児童教育の専門家が集まり、知識と経験を最大限に活かしてサポートしていく」
みらい:「外国ルーツの子どもたちのみらいを明るくできるような日本語の勉強を届ける」
これらを組み合わせて、「光JSみらい」と名付けました。
尚、㈱光JSは、系列団体(企業)にあたります。

ロゴ製作者は、アナ・カロリナ・ブランコ。
太陽(オレンジ)、子どもの笑顔(黄色)、可能性(白)、平和(青)、信頼(緑)を使って、地球を表現しました。
広い地球の様々な国から集まった仲間たちが、日本(桜の花びら)で手を取り合って生き生きと暮らしていけるように、日本語教育を通して子どもたちをサポートしていきます。
光JSみらいの活動紹介
「どの子の今も、明日も、未来も、光り輝くものになる」ように、以下の活動を通してボーダレスな社会の実現を目指します。
日本語授業


オンラインで個別授業をしています。教員経験者や日本語教師資格保持者など技術と熱意を持ち合わせた講師たちが、1人ひとりの子どもに合った授業を提供します。
通常の生徒に加え、みらいっこ制度を利用して受講している生徒が、現在3名います。子どもたちは、「国連ではたらきたい」など、新たな目標や夢を持ち始めています。日本語を通して彼らの夢や目標のサポートを続けていきます。
海外で日本語を学ぶ光JSの子どもたちとの交流イベント


普段の個別授業の他に、オンラインイベントも実施しています。系列企業である㈱光JSの生徒と共に、七夕や運動会など年中行事に関するアクティビティで季節を感じながら、日本語を通して海外で日本語を学ぶ光JSの仲間と繋がることができます。日本語成果発表会では、年に一度、自分の住む街や学校、友だちのこと、興味のあることなど、作文や朗読、スライドショーなど、学んできたことの成果を発表し合い、日本語を学ぶ仲間との繋がりを深めています。
日本語教育、外国ルーツの子ども・家族支援関連のセミナー開催


日本語教育を通して子どもたちをサポートする仲間と一緒に学んでいく場として、外部講師をお呼びしてセミナーを開催しています。2022年9月には、日本語学級の責任者として携わっておられる河井先生をお呼びして公立小学校の日本語支援の今をお話しいただきました。また、2022年11月には、臨床心理士の岩木エリーザ先生をお呼びして、移住がもたらす外国ルーツの子どもたちの心理的ストレスと成長についてお話しいただきました。
対面イベント開催


対面でのイベントを通じて、人の輪を広げ、活動を盛り上げていければと思います。収益は、みらいっこ制度運営費やイベント運営費に充てられます。