ブラジルで和食の魅力を伝え続ける 小笠原純子さん
我々の活動を応援してくださる方々のご活躍を紹介!
私の尊敬する小笠原純子(おがわさら すみこ)さんをご紹介したいと思います。
純子さんはJICAボランティアとして、現在ブラジルに派遣されています。
御年73歳(2022年8月時点)。
私は純子さんとは、JICAボランティアとして、同時期にブラジルに派遣されていた仲間です。
純子さんは料理隊員としてブラジルに派遣されていました。
料理隊員、というのはなじみがないかもしれませんが、ブラジルで和食を広めることがミッションです。
純子さんを一言で例えると、おひさま、みたいな方です。
エネルギーがあふれていて、私は元気がないときに純子さんに会いに行って、おいしい家庭料理を作ってもらって、心も体もチャージされた経験があります。
純子さんは山梨県甲府で野口料理学園という料理学校の校長先生をされています。
そもそもその野口料理学園は、純子さんのお母様、野口富子(とみこ)さんが始めたもの。
お母様は71歳で亡くなられましたが、ご存命だったら99歳。
女性が大学に進むことが珍しい時代に大学に進学し、物理を専攻。
母校の女学校で家庭科の先生をし、結婚で退職、出産し、数学の塾を開校。その後、料理学校を開いたというパワフルな経歴の持ち主です。
野口料理学園は結婚する人に料理を教える学校として始まり、多いときは四カ所に校舎をもち、一週間に1000人以上生徒さんが通っていたそうです。
「家庭料理が一番!」が大切な考えというのは純子さん、富子さんに共通しています。
「料理の周りにいると、人は笑顔になる」とも純子さんはおっしゃっていました。
心から同感です。
約40年前、移民研究のため永住していた学生時代の友人から、「お正月料理を作りに来ない?材料はなんでもあるから、だいじょうぶ!!」と誘われ、トランクに道具だけ詰め込み、ブラジルサンパウロへ(その友人がのちの夫!!)。
その折、材料を買いながら、その素晴らしさに
「いつかこの食材を生かして、新しいおいしいものを作ってみたい。」
その思いが、JICAボランティアで実現することとなりました。
その後2016年から2年間、ブラジルのモジ・ダス・クルーゼスの日系人協会の婦人部に、和食の普及のためにJICAから派遣されました。
行った先の人が何を知りたいのかを大切にして、リクエストされた料理は麻婆豆腐、コロッケ、ジャージャー麺、シュークリーム等々。
それぞれの料理に、一緒に作った人との思い出があります。
前回は日系人協会でほとんど日本語で仕事ができましたが、2022年8月から派遣されているのは魚が有名なベレン。
前の赴任地サンパウロとは3000キロほど離れ、広いブラジルでは気候も異なります。
ポルトガル語も習い続けてきたので、新しい場所で新しい食材、新しい人たちとの出会いが純子さんを待っています。
お母様と同じ料理の道に進み、「親の七光り」と言われ続けた純子さん。
「家庭料理」を大切に思う心は同じですが、富子さんの知らなかった「日系社会」での活動に燃えています。
純子さんは、ブラジルでは日系の人たちが作ってきた野菜を料理に生かし切れていないと感じていました。
その食材を活かして料理を作ることをやり遂げたいと思っています。
年齢は気にしていないそう。
そして、今いる場所から一歩踏み出せない人には
「人生は一回しかない。後悔しないように。」
と伝えたいと話してくれました。
★純子さんの和食レシピ★
日本語・ポルトガル語で料理のレシピを書いてらっしゃいます!
https://ameblo.jp/noguchiryouri/
次回は日本語・ポルトガル語の二カ国語で、純子さんのHPから料理を紹介したいと思います。
第1回は焼きそばのレシピです。