はじめまして、外国ルーツの子どもをサポートしている光JSみらいです。
一般社団法人・光JSみらいの代表、梅本祥子と申します。
私どもは、サポーターの方々の寄付を頂いて、日本に住む外国にルーツのある子どもたちに日本語のオンラインレッスンを提供しています。
お伝えしたいことはたくさんありますが、はじめに私どものレッスンを受けている、ひとりの生徒さんのことをお話させてください。
関西在住の小4のタンさん(仮名)は4歳で日本に来ました。
両親ともブラジル人、家庭内の言語はポルトガル語です。
初回のレッスンで、私が話しかける日本語にもポルトガル語にも、全く反応しないタンさん。
「通信状況が悪くて画面がフリーズしちゃった!タンさんのお母さんに連絡しないと!」
と思っていたら、画面の向こうのタンさんはまばたきをしていました。
完全に無反応だっただけか!!と、かえって驚きました。
そんなタンさんも、日本語学習をゲーム形式でやると笑顔が出てくることに気づきました。
それでもこちらの日本語での問いかけに、返ってくるのはポルトガル語のみ。
そんな中、タンさんのお母さんから相談がありました。
「宿題をやらないと中休み遊べないのは、日本の小学校では当たり前のことなの?」
タンさんの担任の先生の方針で、宿題をやってこなかった生徒は中休みに宿題をやることになっていました。
タンさんは宿題をやらなかったのではなく、宿題の内容がわからなくて、やれなかったことが続いていました。
内容がわからなくてできない、ということを担任の先生に伝える日本語力がありませんでした。
自分の日本語に自信のない態度は、そのフラストレーションからもきているようでした。
タンさんに日本語でどうやって先生に伝えるかを一緒に練習したり、お母さんも職員室に訪ねていって話をしたりして、状況は改善していきました。
長期休み明けにレッスンを再開すると、タンさんは流ちょうな日本語、しかも関西弁で日本語をしゃべるようになっていました。
現在はレッスン中にポルトガル語は全く話しません。
日本語で話して伝わった経験、漢字がいくつか書けるようになったこと、小さな積み重ねで自信がついて、日本語をアウトプットするようになったのです。
タンさんのお母さんはオンライン面談の時に
「日本に来た最初は本当に大変だった。誰も周りに外国人がいない中で自分で色々やらないといけなかった。子どもにとっては日本が『自分の国』。オンラインレッスンを始めて、子どもがすごく変わった。オンラインレッスンを始めて、本当に伸びた。今は大阪弁と標準語の違いに戸惑いながらも楽しんでいる」
と言ってくれました。
今も毎週、愛鳥のインコと一緒にタンさんはレッスンを続けています。
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